【レーシックガイド】レーシックの紹介制度を有効活用
【レーシックガイド】レーシックの紹介制度を有効活用ブログ:22年05月26日
ぼくが幼稚園に入園した日、
忘れられない思い出がある。
新しいカバンに、新しい遊び着、新しいお道具箱…と揃った中に、
ただひとつ、ママが手作りしてくれたものがあった。
それは「ひよこの座布団」。
当時、園児は全員座布団を使用していた。
そのほとんどは集団購入したもので、
デザインはたしか、
男の子は青、女の子は赤色、
厚さが三、四センチはありそうなふかふかとしたもので、
座面には可愛らしいひよこのアップリケが施されていた。
みんなとは異なる座布団は、クラスでぼくただ一人。
色は小豆色、薄っぺらでざらざらとした手触りで、
園児が使うにしては、なんとなく違和感があった。
ぼくはママに泣きついた。
「ぼくもみんなと同じ、かわいいひよこのついた座布団が欲しい」
ママはその座布団に
ひよこのアップリケをつけてくれたが、
それでもぼくの気分はすぐれなかった。
ぼくの座布団はとても目立ったので、
ぼくは隠すように急いで席についた。
早く汚れて新しい座布団を買ってもらおうと、
わざと乱暴に扱った。
しかし、他の娘のアップリケは次々とはがれていくなか、
ママが手作りしてくれたぼくの座布団は悲しいくらいに頑丈で、
びくともしないまま、卒園を迎えた。
少し成長して、中、高校生になり、
ぼくは家庭内の状況がわかる年頃になった。
我が家は一家の収入をママに頼っていた時期があった。
それはどうやらぼくが幼稚園に通っていた頃と重なるようである。
ぼくは「手作りの座布団は経済的に苦しかったからか」と納得し、
その当時も使っていた、
ママが作ってくれた
ひよこの座布団を好意的にとらえられるようになっていた。