【レーシックガイド】レーシック後の視力維持は本人次第
【レーシックガイド】レーシック後の視力維持は本人次第ブログ:21年04月01日
当時のミーは、
とある都市の大きな企業に勤め、マンションで一人暮らし。
ごく稀に母親が田舎からミーのもとを訪ねることがあった。
おいしいものを食べに行こうというミーに、
母親は親子水入らずで、のんびり部屋で過ごしたいと
わざわざ重たい野菜を抱えてやってくる…
ある日、仕事から帰ったミーは、
オートロックのロビーから部屋いる母親に
「ただいま。あけてー」
インターホン越しに呼びかけた。
ところが、母親からの返事はなく、
マンション中に非常ベルの音が響き渡った。
母親が部屋の開錠ボタンと非常ボタンを押し間違えたのだ。
ロビーで頭を抱えるミーのもとへ、
青ざめた母親がやってきた。
ミーは恥ずかしさのあまり母親をひどく責めた。
騒動の後、部屋には
母親が作った夕飯のにおいが立ち込めていた。
田舎から持ってきた野菜の和え物、
帰るタイミングにあわせて焼かれたであろう焼き魚、
細かく刻まれた葱の浮かんだ味噌汁に、揃えられた二人分の箸…
ショックの余り俯いて手をつけない母親をよそに、
気まずい中、冷めた料理をミーは黙って食べた。
あれからミーも二児の母親になり、
7~8年たった今になって
あの出来事を頻繁に思い出すようになった。
恥ずかしいのは母親ではなく、
つまらない見栄で
かけがえの無い時間を台無しにしたミーだった。
今さらと思いつつも母親に言った。
「お母さん、あの時ごめんね」
意に反し、母親はその時の恐怖を、
近くにいたお兄ちゃんと笑い話のネタにしてケラケラ笑っていた。
ミーが責めたことなど忘れているようにみえた。
それでも、母親を思う時、
ミーは真っ先にあの出来事を思い出す。
そして
「大したことないよ」
そう言えなかった自分を悔やみ続けると思う。
あの日の冷めてしまった母親の手料理の味とともに…