【レーシックガイド】レーシック選びに口コミサイトを活用
【レーシックガイド】レーシック選びに口コミサイトを活用ブログ:17年03月27日
「背中を洗ってくれないか」
と、父親に言われた。
この父親というのは、実は奥さんの父親である。
私は一瞬戸惑ったが、
「え?!あっ!はいっ」
と言いながらタオルを構え、父親の背中にあてがった。
初めて父親の背中というものに触れた。
なんか丸っこくて大きくて、何だかゴツゴツしている。
上手に洗ってあげようと思えば思うほどうまくいかない。
タオルがねじれてしまう…
今度は父親が私の背中を洗ってくれるらしい。
私は静かに父親に背を向ける。
父親は、なんていうか、力加減を知らない。
すごく力強くて、体についている必要なものまで
洗い流されてしまいそうな感じ。
思わず私は、身をよじってしまった。
「すまん」父親は申し訳なさそうに、
「ムスコの背中を洗うのは難しいな」と言った…
私は物心のついたころから、
女手ひとつで育てられてきた。
我が家に父親がいないことを悲しがらなかったのは、
お母さんの育てかたが上手だったからだと思う。
溢れんばかりの愛を注いでくれたので、
私はとても幸せだった。
とは言え
父親のことを思わなかった訳ではない。
ただ、そのとき私がイメージするものは
どれも好感の持てないものばかりだった。
無口!ガンコ!厳しい!
正直、「父親は怖い」という印象しかなかった。
そんな私に父ができたのは、
私が結婚をしたからだ。
奥さんの父親は、私にとって不思議な存在だった。
格好なんてつけない。不器用だけどまっすぐ。褒められると照れ隠しする。
大きなお世話なことばかりする…
私は、父親というものに対する印象が
まるっきり変わった。